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多摩張子の合田さんのところへ会いに行こうと決めてから、実際に伺うのに5年近くかかりました。 とても暑い夏の日。奥からどんどん出てきたのは猫の木型。 どのサイズの猫であっても、その木型は1つしかなく、和紙を貼って乾かしている時はじっとしていますので、1種類1体ずつしか作れません。 その手間ゆえに原型の木型に和紙を貼って制作する本来の張り子は、世の中ではもうほとんど見かけなくなりました。 全て先代が作ったという1種1体の木型には独特なオーラがあり、木彫彫刻としても優れているのですが、これは完成形ではなく、張子になったときにはじめてバランスが整うようになっています。次から次にでてくる、サイズの違う木型。サイズが違うと表情も変わる。 過去の作品を写真で見せてもらいましたが、バリエーションの量がとんでもありません。 どれもこれも欲しくなってしまうタチなのでどうしたものかと考えあぐねていたら、郷土玩具の会の会長中村さんは、全サイズを注文したとのこと。 好きなのを作ってあげると言われ、最初は遠慮していましたが、なんと細部の色も決めていいと言うので、写真の中にあった先代の斬新な水色などを。ところで、多摩張子だから背中に「玉」がついているのでしょうか。
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